EBSD(電子線後方散乱回折法)について

EBSDは、結晶性試料に電子線を照射した際に起こる、電子線の後方散乱回折現象を利用し、試料の結晶情報(結晶系、グレインサイズ、配向性など)が得られる手法です。類似情報を得られる手法として、XRD(X線回折法)がありますが、所定の領域内の個々の粒子の結晶方位まで評価できるのが、この手法の特徴となります。空間分解能はおおよそ数十から100nm程度となります。比較的高い空間分解能で評価可能なため、多結晶薄膜の平均粒径の評価や、配向性の評価等によく利用されます。

EBSDとXRDの比較

 EBSDXRD
グレインサイズ○(50nm~200um)○(1nm~200nm程度まで)
配向性評価
格子定数×
物質同定
双晶の評価×

黄銅の測定結果

黄銅の測定結果

高配向Al膜の分析例

SEMの豆知識 ECCIによる転位の観察

はじめに

半導体材料において欠陥の評価は非常に重要です。欠陥の判別や転位密度の評価には一般的にはTEMを用いますが、今回はSEMを用いたECCI法(Electron Channeling Contrast Imaging)でも欠陥が評価できることをご紹介いたします。

SEMの豆知識 ECCIによる転位の観察

SEMは簡便な手法で形状観察や元素分析に汎用的に使われています。SEMは形状を観察するために用いますが、SEM画像のコントラストには結晶からの回折や材料の組成などの様々な情報が含まれており、コントラストの形成メカニズムを理解しながら測定・解釈することにより、SEM画像から多様な情報を引き出すことが可能です。
SEMを用いて結晶に関する情報得る測定法としてはEBSD(Electron Backscattered diffraction)法がよく知られています。これは、反射電子に含まれる結晶からの回折情報を回折パターンとしてスクリーンで検出し解析する手法です。

結晶試料の場合、どの方向から電子線が入射するかによって結晶中原子の面密度が違うため、入射方位の違いによりコントラストの変化が生じます(チャネリングコントラスト)。ECCI法(Electron Channeling Contrast Imaging)は、特定の方位で電子線を入射させて試料を観察する手法です。ある特定の入射条件で結晶を観察すると、結晶からは均一な輝度が得られますが、転位などの欠陥の周囲では、歪によりチャネリング条件が変わり画像にコントラスト変化を生じます。この変化を画像として取得することにより、SEMを用いて欠陥の分布を観察することができます。

SEMを用いた各種の結晶評価法

サファイア基板上に成膜されたAlN単結晶膜をECCI法で観察した画像が図2です。右上に観察時の方位におけるEBSDパターンを示しています。白い明点、暗点、明暗ペアの点など点状のコントラストが観察されます。これらは結晶中の貫通転位です。貫通転位のない領域においても明暗が見られますが、微小な方位ずれを伴うドメインと考えられます。

図2 サファイア基板上AlN膜のECCI法による観察事例

上図から画像処理により転位密度を算出した結果を下に示します。

図3 画像処理による転位密度の算出(約 9×108/cm2)

ECCI法は結晶の欠陥を観察できる簡便な手法ですが、観察のための制約があります。
結晶が表面に露出した平坦な試料が必要で、観察の際には精密な方位合わせを行わなければなりません。またECCIのコントラストは非常に弱く、組成や形状に起因する他の強いコントラストがあると検出が難しくなってしまいます。このため、パターンが形成された実デバイスなどの評価は向きません。基板結晶などの評価は十分可能ですので広視野・多視野での分布評価などに有効です。

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