Raman (ラマン分光分析)

ラマン分光法は、化学構造の決定と振動分光法を使用した化合物の同定を可能にします。ラマン分析はFTIRよりも優れた空間分解能を持ち、1µmの範囲までのより小さな寸法の分析を可能にします。
FTIR と Raman 分光分析は不明な有機材料の特定に適した手法である。

定量分析検出感度化学結合状態破壊測定空間分解能/ビーム径深さ分解能
可能>1wt% (Raman)可能非破壊>1μm(Raman)1-5μm(Raman)

振動スペクトル法

振動スペクトル法

Raman
単色化された可視光レーザー (e.g., HeNe or Ar+)
ラマン発光(分子振動が励起されて生じる発光)を測定
ラマンスペクトルはラマン活性の振動に依存

FTIR
広周波数赤外光
赤外光の吸収を測定
吸収スペクトルはIR活性の振動に依存

応用例

FTIR と Raman
– 有機物系粒子、パウダー、膜、液体の同定
– 材料の同定
– 不純物分析 (抽出物, 脱ガスした製品(物質), 残留物)
Raman
– 同一核種からなる結合構造の解析 (例えば、炭素からなるグラファイト、ダイヤモンド、DLCの区別)
– 結晶相とアモルファス相の区別と決定
– 原子格子応力やひずみ

ラマン分光分析

測定の対象となる試料
– 粉体, 固体材料
– 単結晶
– 表面
– 液体や溶液 (含水材料や有機溶剤)
一般的な試料形態
– 粒子又は欠陥サイズ —- >1 µm (例外: 多大なラマン散乱を生じる材料)
– 膜厚 —- >0.8 µm
– 基板材料からの信号が測定したい材料の妨害となり得るので注意が必要。
・純金属は問題なし
・Si やガラスも問題ない
・炭素リッチ材料が基板(基材)にある場合、強い炭素強度が妨害となる。

Raman 典型的なデータ

ラマンは炭素同素体の異なった結晶構造を区別し、特定できる。

典型的なデータ・FTIRとRamanの補完的な関係

典型的なデータ・FTIRとRamanの補完的な関係

特長と制約

 特長
– 有機物官能基や特定有機化合物の特定が可能
– 化合物同定のためのスペクトルのライブラリーが豊富
– 大気環境で測定可能 (真空環境は必要ではない; 揮発性化合物には適している。)
・高真空環境から高圧環境まであらゆる環境で測定が可能(装置に依存)
・低温~常温~高温までの広い領域で測定可能(装置に依存)
– 通常、非破壊
– 最小分析領域: ~1 μm
制約
– 表面敏感性は低い (通常のサンプリング深さ: ~0.8 μm)
– 最小分析領域: IRの場合: ~1 μm
– 混合物質(ブレンドポリマーなど)は測定が複雑で、解析が困難
– 通常は定量情報ではなく、定性測定 (定量にはスタンダードが必要)
– レーザー光源による材料からの蛍光が問題となり、スペクトルが検出できない場合あり。
– 用途の広い測定手法であり、幅広い材料の解析に応用できる。
– 有機物化合物の同定には最適な手法である。

応用例1)Raman・有機物粉体(粒子)

応用例2)Raman・格子ひずみの測定

SiGe上に堆積されたSiエピ膜では引き伸ばしひずみが観測される。
このひずみは、基板のSiとGeの格子不整合により生じている。

ラマン分光分析による半導体結晶構造解析(AN334)

ラマン分光分析は半導体を初めとする結晶構造の特定に対して効果的な手法です。多くの半導体研究の応用の中で、ラマン測定は構造、結合、乱れなど固体結晶格子の変化を調べる手段として利用されています。 ある半導体結晶の固有のフォノンのラマンピークは非常にシャープです。それに対し、多結晶化や非晶質化が生じるとピークが非対称になったり、広がりが生じたり、低波長側へのシフトなどでスペクトルに現れます。これらを調べることで結晶の乱れの度合いの情報を突き止められます。

下図では、結晶シリコン、ポリ結晶シリコン、非晶質シリコン中に含まれる微結晶(μc-Si)などのラマンスペクトルを示します。ラマンピークのシフトや非対称性、バンド幅は非晶質半導体における結合角の歪みや結晶の特長を測定するのに効果的です。データは多結晶シリコン中の結晶が25Åより大きくないことを示しています。

ラマン分光分析による半導体結晶構造解析(AN334)

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